訪問連だよりvol.27 週末、おたしのみ袋の中身を読む
日々の業務お疲れ様です!
とりあえず雑談はじめまーす!
この週末も外出自粛要請が出ていましたね。
ただ、この前の木曜日のような平日の買い物パニックはなかったようです。 (マスクや消毒用品の品切れは続いてますが)
週末はとにかく家にいました…のですが、ヘルパー稼働と食料・日用品の買い出しだけは外出しました。
(この頃平日遅くはスーパーに品物が無くて買い物にならんのです)
蒲田駅ビルは週末全館休業でしたね。 駅ビルと大型パチンコ店がお休みの駅前は閑散としていました。
一方うちのママいわく、お値段お手頃な飲食店の厨房の仕事をしている友達が
「まだまだ宴会の予約が入ってきて休めない…正直不安」
と話していたといいます。 このあたりの自覚は残念ながら「人それぞれ」としかいいようがないですね…
まあ地元不安不景気トークはこのあたりにして、アレです。
先週、蒲田駅前図書館で福祉関連の本を借りようとして結局 『本のおたのしみ袋』というモノを借りました!
コロナ対策のため書架立ち入り禁止になった図書館でも、本が借りられるように… という工夫でしょうか。
ジャンル別にランダムに選ばれた3冊を中身を確認しないで借りる!
おどろきの図書館ガチャシステムを利用したので、今回はその開封をします!
※現在、図書館では電話やネットで予約をすれば指定の本を借りることができます
一応、アレ!
介護や福祉の話題ゼロなのもどうかと思うので、
「ランダムに借りた本に介護の話題が入ってるかどうか」をレポート! です!
雑談の雑談っぷりもここにきわまった印象があるわね
これが蒲田駅前図書館謹製『本のおたのしみ袋』の外観!
〇なかなかどっしり
袋とじには楽しい模様のマスキングテープが使用されていて、受け取った人が なんとなくウキウキする感じに仕上がっています!
今回は『エッセイ』の袋の開封結果です。
〇袋の中身ー!
という結果。
なんというか…若くない女性向けラインナップですよね。まあ私40代女性なんですが。
袋の中身はランダムであっても、カウンターの中で
「女性向け ミドル」とか「男性向け ティーン」とか借り手のパッと見にあわせた仕分けがなされているのかもしれません。
やるわね図書館の方…!
(仮に完璧な変装でシニア男性装ったら池波正太郎のごはんエッセイとか山口瞳あたりになるんかい?)
ともあれ、天の配剤で私のもとに来たエッセイ3冊こんにちは!
わたし、訪問介護員!
あなたたち、介護の話題、あるー!?
1 「お母さんという女」絵と文 益田ミリ
2009年発行。イラストレーター・益田ミリさんによるマンガ+エッセイ。
東京でひとり暮らしをする「私」の視点から見たザ・日本の中高年女性といった感じの
「お母さん」の生態をあたたかなユーモアで描きだした一冊です。
タッパーをとにかくたくさん持っている、鉢植えに必ずいる100均製の小人の置物などなど…
こちらの本はズバリ「母と介護」という一段があり、「お母さん」が自分の母親を介護した エピソードがありました。
お母さんのお母さん、つまり「私」のおばあちゃんは認知症で長い寝たきり生活で、お母さんは献身的な介護をしていた。
自分は祖母が家に来て数か月後に上京したので、それを遠くに観ていたけれど…といったお話。
「おばあちゃん」は入浴のためデイサービスに行っていた他はずっと「おかあさん」がつきっきりとあります。 こちらのお宅はデイサービスへの送迎や排泄介助でホームヘルパーが入っていなかったのか、それとも入っていたけれど「私」の視点では見えてこなかったのか…どうなんでしょう。
一度もヘルパーサービスが入らなかった感じじゃなさそうだけどなー…
2 「独女日記」 藤堂志津子
2011年発行。小説家・藤堂志津子さんによるエッセイ。
60代を迎え、愛犬「はな」と暮らす作者の日常を淡々とつづる。
春夏秋冬を通した章仕立てですが、おおむね話題は
「年を重ねてしがらみが減り精神的に楽になった話」 「愛犬の話」 「自身の闘病と母の介護が同時に来た50代のころの話」 「自身の好きなもの(主に映画・書籍や俳優・作家など)」
といったところでした。
介護の話題はあまり字数はありませんがご自身の食道がんの闘病と
半身まひとなった母親の介護(更にこの数年後「父が他の女性のもとへ出て行ってその後亡くなった」とさらっと書いてあります)の重たさが、静かな日常のエピソードの底に低く鳴っています。
その介護生活については「自分のことは、とにかく、あとまわし」(本文より)とあり 「介護保険とか派遣ヘルパーさんなどの制度はまだまだととのっていなかったころである」(本文より)とも。介護開始は作者45歳の頃、とあり1995年頃のようです。
介護保険法の成立が2000年(平成12年)ですから、確かにそうですね。
介護生活はその後12年間続いた、ということですが福祉サービスについての利用の話は書かれていません。
介護に追われた日々は「終わったこと」として整理していく心境が働いているような感じがしました。
3 「ひとりずもう」絵と文 さくらももこ
2005年発行。誰もが知ってる『ちびまるこちゃん』作者(故人となられました…)の思春期~ マンガ家デビューが決まるまでの青春の日々を描いたイラストエッセイ。
青春の日々と書きましたが、そのうちわけが
「素敵なペットのいる生活にあこがれてあれこれ生き物を飼うが結局世話を家族に押し付ける」 「家の物干し台を素敵なテラス風にしようとするが蚊に刺されるし床板は腐って底が抜ける」
といった内容で「ぼんやりパッとせず本人なりに満ち足りて過ごしたことを面白く書く」ことに関して 空前絶後な方ですね。いつもいつも。
単行本の『永沢君』がすごかった…
ですが、こちらの本には介護関連の話題はまったくありません。
作者の学生時代の話で、まだ家庭内で介護の話題がなかったのかもしれません。
またこれは『ちびまるこちゃん』の比較的有名なエピソードですが、作者の祖父はマンガ/アニメの中の孫に大甘で人畜無害な「友蔵おじいちゃん」とはかけ離れたアクの強い人だったものを、作中では事実を離れて
「こんな祖父がいたら良かった」
という好々爺にしたといいます。
作者は少女向け雑誌でコミカルでほのぼのとした自伝エッセイ風コミックを連載するにあたり、 ムードを壊す事実をとてもクールに剪定してました。
自伝「風」作品を大人気で連載し続けるには、その冷静な視点が欠かせなかったのでしょう。
作者が自身の親世代に介護が必要になった時や自身の老年をどう見つめていくのか、とても 興味深いものがありましたが、残念ながら若くしてお亡くなりになってしまいました。
…というわけで、3冊中2冊に介護の話題がありました! 中高年女性にとって身近な話題ということでしょうか。
作家さんの訪問介護をあーしてこうして使ったよーという話を読んでみたいけど 今のところ心当たりがありませーん。
見つけたら紹介しますね!
では、また来週! 次回は「読み継ぎたい名作」袋を開けていきます…
今日の業務に行ってらっしゃい!