訪問連だよりvol.33 ゾウは高齢ほどブイブイいわす
日々の業務お疲れ様です! 今日もさくさくと雑談してまいります。
ヘルパーさんから「ご利用者のペット」の報告を受けることが折々あります。
ほほえましい日々の様子だったり、
ペットの不調に胸を痛めるご利用者のエピソードだったり。
(十分な世話を受けてないペットを見て何とも言えない気分けど何もできないこともありますね…)
ご契約の時は稚気あふれる元気な子だったワンちゃんが
「最近足がおぼつかなくなってきてフローリングでつまづいてます。 食欲もなくてご利用者が悲しそうです」
…というエピソードを聞いたときは
「…私たち何もできないけど猛烈に心配だねぇ…」
とヘルパーさんと顔を見合わせてしまいました。
自然界では動物が仲間を介護することはまずありません。
老化や傷病で食べる・排泄する・移動することが困難になった個体を 生活できるようにする仕組みはないようです。
子育ての時は
卵を守る 食事や排せつの世話をする
といった保護のための動作が豊富にある対して、
弱った個体へのケアは舐める・さするなどの限定的な動作に限られます。
それで「弱肉強食 サバンナの掟!」みたいなフレーズが定型としてあるわけですが
動物が弱った同族にまったく無関心、高齢の個体は即生存競争から脱落!
かというと、案外そうでもないのです。
〇高齢化社会を生きるチンパンジー
チンパンジーの研究をしている京都大学野性動物研究センターの記事によると
ギニア共和国ボッソウの野性チンパンジーに、高齢化の進んだ群れがあります。
群れの住む森がサバンナと人間が作った畑に囲まれ、あまり他の群れと行き来がないそうです。
チンパンジーの群れは普通、小集団の集合離散を繰り返すもので 群れ同士は仲が悪く、群れ同士の出会いは殺し合いに発展することもあるといいます。
(仁義なき戦いのテーマが脳裏に流れる)
そんなオンドリャー! な交流がないためか、高齢化したこの群れでは老眼の高齢チンパンジーが目を遠ざけて子チンパンジーの毛づくろいをする様子がみられるそうです。
周囲の環境に人の手が入った影響ではありますが、高齢個体が自らのペースで暮らしている野性動物の日々があります。
〇ゾウは高齢ほどブイブイいわす
ゾウは長命で体格の成長が一生続きます。
つまり長生き=デカいつよい。
また、記憶力のよい生き物で、群れの生存には長生きの個体のサバイバル知識が重要です。
そのような理由でメスと小象の群れのリーダーは最高齢の者と決まっています。
死を理解し悲しむ知能もあり、死して動かなくなったリーダーの遺骸を皆で撫でて 悲しそうに鳴いたり、遺骸に葉っぱをかぶせて(!)ケアをするような動作をみせます。
(野生動物じゃないけど、ペットのイヌやネコは一緒に暮らす家族の誰かが 欠けたらそのことを理解し、しょんぼりしていますねー)
ちなみに大人のオスの象は繁殖期以外はひとり~大人オスだけの小集団で暮らしてますが
メスともっとも盛んに交尾するの50代以降の個体です。(寿命は60-70年くらい)
ここでも高齢=大きい=つよい 公式が成立してます。
高齢オスは普段の1日の移動距離は若オスより少な目ですが、繁殖期になった時の
メスを求めて移動する距離は若オスの3.5倍…!
ゾウさんは高齢ほどブイブイです。ブイブイ。
「死をいたむやさしい生き物」みたいな話からンフフッて流れですけど真実
〇人と暮らす中で
野性動物の話をしましたが、人間と暮らす動物は人間をケアしたり 高齢になって人間にケアされたりして生きていますね。
私たちのおしごとの近所の話題で探しても、高齢者施設を訪問するセラピードッグが有名だし 近年ではペットとともに入居できる施設のニュースがよく取り上げられます。
高齢ペットの介護保険(民間のペット保険ですけどね)に、ペットの認知症にお悩みの 家族の話も聞きます…。
そんな人と暮らす老ペットとして個人的な記憶があります。
もうずっとずっと昔、私が幼かったころですが。
祖父母の家に高齢の柴犬がいて、自由に家の裏の神社に散歩してました。
※昭和の話です ※犬を外出させるときはリードをつけてね!
神社は同じように近所のイヌがぶらついてました。(すごい話だ)
この柴犬は足がヨタヨタで見るからに危なっかしい。
ある日私が飼っていた小型犬を散歩させていると、 大きい犬が小型犬をフンフン嗅いできました。
※犬がウロウロの神社サバンナで小さい子がひとりで犬を散歩させているのも昭和だからです ※令和のみんなは真似しないでね

〇可愛かったチャッピー。シーズー犬(イメージ画像)
絡まれるチャッピー。すると祖父母の柴犬が珍しく吠えました。
腹に力の入らない「ヒャンッ!」といった声で、
大きい犬をかえって怒らせないか不安だったのですが、 大型犬がスゴスゴとうちのシーズーからに離れていくのにびっくりしました。
ケンカになったら老いた柴犬があの大型犬に勝つ見込みは万に一つもありません。
(どうやら犬には年の功を尊重して引く文化があるんだなー)
と子供心に強いインパクトを覚えた記憶がずーっと残っています。
どうぶつ、案外弱肉強食じゃない。 お互い弱った時もおだやかに過ごせるとよいね! おじさんゾウさんの走力すごい!
というお話でした。、
今日の業務に行ってらっしゃい!