訪問連だよりvol.31 春、案外あぶない
日々の業務お疲れ様です! 今日もさくさくと雑談してまいります。
大事な告知等はございません…
東京都は外出自粛の日々が続いていますが、ちょっと前に
「アウトドアなら『三密』じゃないだろー!」
とばかりに海や山レジャーが盛況、
サーフィンのさかんな地の知事が「連休に来ないで」と異例の呼びかけをしたり、
各地の山岳会は自粛を訴える…といったニュースがありました。
大田区内にいると遠いお話に思えますが、お待ちを。
大田区にもあるのです。
危険なアウトドアレジャー、それも、ご利用者のハートをつかむ奴が…!
そのレジャーの名は野草狩り。
外出自粛時の運動のメッカ、多摩川河川敷でも実行可能。
「食べられる野草が自生している」と芸人さんが河川敷クッキングするテレビもありました。
私も「これたぶんノビル?」「ぜったいシソだろ」と思う一群を見かけることがあります
ウォーキングや庭いじりをたしなむ方がご利用者に
「こんなの採ったの!」
と持ってくるような状況があるかもしれない。
しかし春~初夏は毒のある植物を食べてしまった事による食中毒の多い季節。
この令和2年も事例が確認されているそうです。
「有毒植物による食中毒に注意しましょう」という項目を設けて注意喚起がされています。
啓蒙リーフレットのファイルの中には「おじいちゃん、おばあちゃん、食べないで!」
という書き出しの物もあり、山菜取りや野草食が好きな高齢者へのアプローチとなっています。
有毒植物情報については同ホームページの
「自然毒のリスクプロファイル」に詳しいです。
スイセンとニラの誤食は毎年のように聞きますね。
ニュースで見ると
(見た目は似てても、ニラの匂いがしないスイセンの葉を食べちゃうのものかな?)
と思いますけれど、そこには
「持ってきてくれたのに悪い」
「新鮮な物はこういう味・匂いなのかも」 「みんなで食べようということになったし…」
と思って食べてしまう心理があるようです
昔はアジサイの葉の天ぷらを客に提供して食中毒を出した和食のお店とか、
(6月の事件で「季節感を出そうと思った」という事だったな…)
キョウチクトウ(そこらにいるのに毒性強い植物代表)の枝をバーベキューの串代わりにした事例では死者も出る惨事もありました。
これがまた、串やお箸にちょうどよさそうなまっすぐな形なのですよね…
野草の食用利用(箸やお皿の代わりにするといったことも含む)は安全性の見極めが難しく
「採らない! 食べない! 売らない! 人にあげない!」
というスローガンが各種リーフレットに大きく提示されていました。
ちょっとワイルドな方も口に入る物は安全第一でお過ごしください。
ところで食中毒ほど怖い話題ではないですが、わたしの勤務地の近くのコレ。
〇茎の長ーいオレンジのポピーみたいなアイツ
みなさんの勤務地の近くにもきっと咲いている。茎の長ーいオレンジのアレです。
私の子どもの頃には影も形もなかったお花。
コンクリートから何輪か咲いているとなんとなーくけなげで可愛らしいムードですが
こちらはナガミヒナゲシといって、繁殖力も旺盛な上に周辺の他の植物の生長をジャマする成分を出す、カワイイ顔してなかなかなキャラクターなのだそうです。
参考:農研機構 国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構(旧:農業環境技術研究所) ナガミヒナゲシはアレロパシー活性が強く、雑草化リスクが大きいので、広がらないようにする必要があります
駆除の対象などに指定されているわけではないですが、園芸の好きな方ならご自分のお庭やプランターに侵入させないように注意が必要ですね。
またまた勤務地近くの写真なのですが、道路にこんなツツジの植え込みがあります。 珍しくない光景ですが…
〇ツツジの植え込み
その植え込みの根のあたりにいつの間にかナガミヒナゲシがひょろーっと生えているなぁと 見ていたら数年かけてツツジが後退し、ナガミヒナゲシエリアが拡大しました。
〇赤丸エリアはほぼナガミヒナゲシ
ツツジもナガミヒナゲシも終わった後の写真ですみません…。
画面前方の花のない緑のゾーンはすべてナガミヒナゲシで、その後方にツツジがあります。
ですがこのエリア、もともとは上の写真のようにびっしりとツツジが咲いていたのです。
なかなかの実力…。
このタフネスはちょっとうらやましくありますが、毒で周りをやっつけていくというのは 困ったものです。
ツツジが寂しくなってしまって、このエリアの春の景観がややしょんぼりになってしまった…
(昨年くらいからこの辺のナガミヒナゲシは時々駆除されてます。どちらのお仕事なのかしら)
春は案外、毒の季節というお話でした。
じっくり散策はできないかもしれないけれど、道の端の植物にちょっと目を向けたり
お庭のある方はオレンジのアイツに目を光らせたりして気分転換できたらいーですね!
というわけで、また来週!
今日の業務に行ってらっしゃい!