訪問連だよりvol.30 図書館の本のはなし(図書館閉館中ですけど…)3

日々の業務お疲れ様です!

この記事のひとつ前の記事で、最近の活動報告をしています。 文書ファイルのDLもできますのでご活用ください。

久々にまともな広報活動をしましたわ…

えー、ではここからはいつもの雑談です。

週に数回、人の少ない時間帯の河川敷遊歩道や道路でマスクして運動をしております…。

ちなみにこれは大田区ホームページ4/22更新の

「区立の公園・緑地の利用について(お願い)」へのリンク。

多摩川にカヌーの人を見ました。

川の真ん中をただ一隻が進んでいく姿は静かで、なんというか満ち足りた孤独と言う感じです。

けっこうな運動量もある印象で、素人目に「わー素敵うらやましいな」と行くカヌーを遠目に帰宅しました。(この時期にいいの? といった話はいったん置きます)

子供の頃からカヌーにはけっこうな憧れがあるのですが、その原点が…

〇ちくま日本文庫全集「開高健」

開高健の釣行エッセイで、写真家の高橋昇氏とのコラボレーション旅行記『オーパ!』(1981年初版)が自宅にあって、幼い私(1970年代後半生まれでございます)はコレがすごく好きだったのです。

確かA4版くらいの大きな版型で写真の迫力が素晴らしかった。

こどもがよんでもいみがわからないところもいろいろありました

アマゾン川をカヌーで進み様々なお魚と格闘! 爆釣! 爆食! のありさまが素晴らしい写真と一緒につづられている名ノンフィクションでした。(シリーズ化されてアラスカ他世界各地の続刊もあり)

スポーツフィッシングの相手として申し分ないファイトの魚「ターポン」を捕まえて、これは身がしまって美味しいだろー! といさんで食べたらおろすのは大変なのに身はグズグズでちっとも美味しくなかったエピソードが好き

(ほんとに雑談ですみません。身に金属的な臭いがしてどうやっても美味しくないとか)

陽気でタフな「なんでも食うたろ」の釣り旅の記録、

流域に突如現れる大都市ブラジリアの騒々しさ、 やがて寂しい旅の終わりに至る展開に意外なほどストイックなところがあり、そこも魅力でした。

『オーパ!』の私的プレゼンはこの辺にして、本題である図書館で借りた本の内容にちょっと触れます。

図書館は閉館していますが、ステイホームのお供をお探しの方の参考になれば…。

(でも訪問介護関係者は思いっきし非ステイホームだと思いますが…)

作者の小説はデビュー作「裸の王様」(1957)、

大量発生したネズミ駆除をめぐって起こる騒動を描いた「パニック」(1957)、

1964年に朝日新聞の臨時特派員として戦時下のベトナムを取材した体験をもとに描かれた「輝ける闇」あたりが特に有名ですが

ちくま日本文庫全集の冒頭におさめられた一編は「流亡記」(1959)。

90ページくらいの短編ですが、個性と魅力がみちっと詰まっております。

あらすじは

「秦の始皇帝の時代に辺境の庶民として生まれた主人公は、

ある日唐突に万里の長城の建設人夫としてひったてられて

はるばるはるばる旅をして長安にいくらか滞在したあと、

はるばるはるばる旅をして建設現場でひたすら働くのでした」

以上。

かの長城は主人公が生きている間に完成するものでもないので「俺たちの長城建設はこれからだEND」です。

こうやって書くとすごくつまんなそうな話なんですが、待って。違うの。(ズボンの裾にしがみつく)

えー、えーとですね。いくつかの書評を見ると、作品の魅力が「語り手の透徹した視線」と書いてました!

まさかの他人のフンドシでブックレビュー

とうてつ…

透徹

(名 ・形動 ) スル [文] ナリ 

①すきとおっていること。澄みきっていること。また、そのさま。 「 -した空気」 「晩秋の気-にして和適/欺かざるの記 独歩」

②筋が明確にとおっていること。一貫していること。また、そのさま。 「 -した論理」 「 -した洞察力」 「工夫、精密なるを要し、解悟、-なるを要す/西国立志編 正直」

(大辞林 第三版より)

そ、そうそう! 2番の意味! そこです。

主人公は長城建設のために強引に駆り出され、縁もゆかりもない土地への超長距離徒歩移動を余儀なくされます。

まったくひどい目にあっているわけですが望郷の念に浸って泣くとか、

故郷の人への個々の想いなどの描写は遠景にあって

主人公ほかひったてられた人夫が、とにかくただ生きていく様子が描かれています。

人夫は主人に使役される側ですが、この時代、人夫確保に走り回る役人も道中の街の統治者も皆、皇帝の命に使役される側として右往左往と日を送っています。

急ぎの旅に病んで命を落とす者や、活路を求めて脱走を試みて捕まって死ぬ者、

長城建設中の現場に異民族が襲撃し死ぬ役人などなど、過酷な境遇を主人公は目にしながら、とにかく生きていくのです。

「がんばる」とか「諦めない」という言葉もむなしい環境の中で単調な生活を案外しぶとく繰り返す、 人の営みが描かれています。

作者は後年ずっと、この「流亡記」を自信作としてあげていたそうですが

「食って寝てまた起きる以外しゃあない」

とでも言うような下世話な(誉めてます)タフネスと底光りするような明るさがよく出ている一編です。

元気をもらえた~! 泣けました~! というような作品では全然ないのですが、

遠い世界を旅した気分にさせてくれる作品、外出自粛の折にいかがでしょうか。

というわけで、また来週! 

今日の業務に行ってらっしゃい!

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